2014年02月04日

石川洋行 事務所と繭蔵「楽蔵」

ss-2013-0423-001.jpg  国道16号線を川越から狭山市を抜けて入間市に入ると、すぐ左側にUR黒須団地(石川組製糸の本店工場の跡地に建っています)が見えます。そのあたり1本北側を走る道路(旧道)に面して石川洋行という自動車修理工場を営む石川洋行があります。
  石川洋行は石川組製糸を創業した石川幾太郎氏の二男権吉氏(1888年生)に始まる家で、元は石川組の中にあって撚糸工場の経営や繭の買い入れを目的とする貿易関係を担当していました。
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  現在、石川洋行の事務所兼住宅として使われている建物は、石川組製糸本店工場内に建っていた事務室棟を曳家し利用しているものです。建設年代は不明ですが、石川組製糸創業の1893(明治6)年前後には建設されたと見られますので、すでに築120年を超えていることになります。木造2階建てで、1階には玄関と応接間のほかに2部屋、2階は8畳1部屋に10畳3部屋がありますが、事務所として使われていたことから、4部屋に床の間が付いています。
「洋行」とは、中国では外国人の経営する商店のことを指すことからこれを屋号に用いました。
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△事務所入り口の丸桁
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△座敷の造作

 母屋に隣接して建つ3階建ての土蔵「楽蔵」は、1917(大正6)年に繭の仕入れのために中国に渡航(洋行)して買付に成功した権吉功績を評価して社長の幾太郎が建築を許したもので、繭倉として使われていました。3階建て部分の主屋は梁間4間、桁行10間と規模も大変大きなものです。現在は、3階において様々な芸術的イベントも催されています。
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 ss-2013_1222_0065.jpg トラス形式の小屋組
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△楽蔵3階で開催されたエレキコンサート
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△粕谷義三の書「忘私奉公」
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△ 土地台帳

 楽蔵には、石川組製糸株式会社の土地台帳や衆議院議長を務めた粕谷義三代議士の揮毫になる掲額他多くの歴史的史料が所蔵されています。
 
posted by いかす会 at 05:00| Comment(0) | 石川洋行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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